ご覧いただきありがとうございます。
今回は先日Netflixで観て感動し、様々なことを考えさせられた『生きのびるために(The breadwinner)』という映画について書きたいと思います。
ここ最近、タリバン政権に変わったアフガニスタンの状況が連日テレビやネット、SNSで流れています。
いや、男尊女卑が本当に酷い。
わけのわからない主張ばかり。本当に同じ時代に生きているのか?と思います。
そんなタリバン政権下で怯えながら生活している人が実際にいるかと思うと胸が痛い。
立ち上がって抗議デモを起こしている女性達を尊敬するけど、相手は話が通じない極悪人間達なので、酷い目に合わないかただただ心配。
『生きのびるために』では、2001年アメリカ同時多発テロ事件後のタリバン政権下におけるアフガニスタンの状況がわかりやすくアニメーションで描かれているのでとてもオススメです。
リアルな理不尽さを伝えるシーンとアニメーションでストーリーをぼかすバランスが絶妙なので、
小学生以上のお子様と一緒にご家族でご覧になっても良いのではないでしょうか。
内容と少々暴力的なシーンや台詞もある事を考えると、高学年くらいかな。
『生きのびるために(The breadwinner)』とは
アイルランドのアニメーション・スタジオ、カートゥーン・サルーンによって作られ、スタジオ設立者の一人であるノラ・トゥーミー初の単独監督作品です。
原作は、カナダ人作家で平和活動家であるデボラ・エリスによって書かれた「生きのびるために」。
パキスタンの難民キャンプで、アフガニスタンの女性や少女に取材を重ねて書き上げた作品だそうです。
UNHCRの特使であり、アフガニスタンで少女たちの学校教育を支援するアンジェリーナ・ジョリーもアフガニスタンの美しさや人々の心情を監督に助言するなどしてサポートしています。
アンジーも最近はブラピとの離婚騒動などで騒がしい話題で持ちっきりでしたが、素晴らしい活動をされている方だったなーと改めて思いだしました。
ストーリー
あらすじについては公式サイトから引用します。
11歳のパヴァーナは、アフガニスタンの戦争で荒廃したカブールにある小さなアパートの1つの部屋で、教師だった父、作家の母、姉と幼い弟と暮らしています。タリバンの支配下に生きるパヴァーナは、父が語る物語を聞きながら成長し、市場で人々に手紙を読み書きして生計を立てる父を手伝っています。 ある日、父親がタリバンに逮捕され、パヴァーナの人生は一変します。タリバンは、男性を伴わずに女性が家を出ることを禁じているため、家族はお金を稼ぐことも、食料を買いに行くことさえできません。 一家の稼ぎ手として家族を支えるために、パヴァーナは髪を切り“少年”になります。そして危険をかえりみず、パヴァーナは父を救いだす方法を探そうと決意するのですが…。
映画『ブレッドウィナー』オフィシャルサイト
対比した描写で観せるアニメーションがすごい
この作品の中では二つのストーリーが同時に進んでいます。
一つは主人公パヴァーナのリアルなアフガニスタンの暮らし。
もう一つはパヴァーナが弟に語り聞かせる物語のストーリーです。
リアルなアフガニスタンを描いた乾いた世界観と、カラフルな切り絵の力強いアニメーションで描かれたパヴァーナが語る物語の世界の描写。
この対比によって、貧困や暴力に苦しむ日々の暮らしの中でも希望を忘れずに生きて行くパヴァーナの強さと優しさが感じられました。
またパヴァーナの声が良いんです。吹き替え版はどんな声かな、、
心に留めておきたいこと
パヴァーナがあまりにも勇敢で逞しいので忘れてしまいそうになるけど、彼女はまだ11歳の子供、少女なのです。
女性というだけで外にも出られない、教育も受けられない、働くことも食べ物を買うことも許されない、だけど家族を引っ張っていかなくてはならない現実。
恐ろしい人間が自分の生活圏内にうじゃうじゃいて、簡単に家族の命を奪われることもある。
理不尽すぎる。
たまたま日本人に生まれた私は、生死に関わるような性の差別や暴力には全く苦しむことなく生きられています。
でも世界ではこのような現実が実際に起こっているということを知っておかなくてはならないと思いました。
自分の周りにある平和や幸せは当たり前じゃないですね。
私達が生活している日本でも弱者に対する差別や暴力はあります。
この映画はアフガニスタンのことだけでなく、そのようなことも深く考えさせてくれました。
今4歳の娘が成長する過程で、世界にはこの映画のような現実もあると言うこと、あなたの周りの幸せは当たり前ではないんだよということをしっかり伝えていきたいと思います。もちろん彼女が大きくなったらいつかこの作品を一緒に観ます。
世界中の一人でも多くの人がこの現実を受け止めて考えることで何かが変わる力になることを信じたいです。
そして、ストーリーの最後の方に出てくるイスラムの教えでもあるというこの言葉。
本当に素敵で美しい言葉だと思いました。
怒りではなく、言葉を伝えて
花は雷ではなく、雨で育つから
私が生きて行く上でも大切な言葉として、これからも胸に刻んでおきたいです。
というわけで、
今回は『生きのびるために (The breadwinner)』を観た感想を書かせていただきました。
これまでに見たイスラム社会について描かれた他の作品についても再度見直して、今自分が思う感想を綴っていきたいと思っています。
数年前に観たり読んだりしたものなので、今、この時代に見直したい!
ご興味のある方は是非ご覧になってみてください。
本当にオススメです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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